2013年10月04日

【001】常識は真理にあらず

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 恥ずかしながら、連載のスタートは失敗談から。

 あれは、健康関係の原稿を書き始めて間もないころでしたから、かれこれ20数年前になるでしょうか。

  ある健康雑誌の依頼で、某大学医学部の教授に取材。テーマは「腸の健康」で、もちろん、相手の先生は消化器内科が専門でした。

 取材はスムーズに運んだのですが、後日、原稿を編集部経由でチェックしてもらった時に事件勃発。腸の機能を説明する際に「善玉菌」や「悪玉菌」という言葉を用いたのが、先生の逆鱗に触れたのです。

「私は、善玉菌とか悪玉菌の存在を認めていない!」

 確かに、取材中、先生はその言葉をひとことも使っていません。当時、すでに善玉菌・悪玉菌という言葉は一般化しており、私もそれが常識と思っていたのが間違いの元でした。医学界の中では、そうした分類や考え方に異を唱える人もいて、後で調べると、取材した先生はその急先鋒だったのです。

 へそを曲げた先生は、書き直しも拒否。すったもんだの末、結局、他の記事で差し替える羽目になりました。

 でも、駆け出しの自分には貴重な勉強になりました。健康法においては、常識必ずしも真理にあらず。この視点が大切と肝に銘じた次第。

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2013年10月11日

【002】笑える健康法「玉玉ポロリン」

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 この話は「18禁」ならぬ「女性禁」ということでお願いします。むろん、読むのは勝手ですが、気分が悪くなっても苦情は受けつけかねますので、悪しからず。

 私はこれまで数え切れないほどの健康法を取材し、雑誌や本で紹介してきました。

 大半の相手は医者や大学教授で、それなりに科学的根拠もあるのですが、中には怪しいというか、思わず「うっそぉ!」と叫びたくなるようなものもあります。

  最もケッサクだったのが男性の体力増強、特に“夜の元気”を目的とした健康法で、題して「玉玉ポロリン」。

 やり方は・・・、勘のいい人は、ハハァンときたかもしれませんね。ブリーフの前開きから男の大事なナニを、玉玉も含めてそっくり出す。その状態でズボンをはき、生活するというものです。格好を想像しただけでも吹き出してしまいますよね。

  何でも、金冷法に加え、陰嚢の付け根を常に刺激しつづけることが性欲中枢の活性につながるとのこと。実践している人は意外に多く、効果も感じているようです。

 試してみようという方は、特に外出するときはズボンのチャックの閉め忘れに、くれぐれもご用心。あっという間にパトカーや救急車にとりかこまれてしまいます。

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2013年10月18日

【003】ヘビースモーカーの医師

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 喫煙は肺ガンや心臓病などのリスクが高くなるなど、健康に良くない。これは今や子供も知っている常識。そのため、禁煙外来というのもずいぶん流行っているようです。

 ただ、意外なことに、当のお医者さんの中にもヘビースモーカーがいなくはありません。まさに医者の不養生ってやつです。

 都内の著名な大学病院の内科教授に取材したときのこと。取材場所に指定されたのが大学そばの喫茶店でした。

 医者、特に大学病院の先生の取材は診察室か、自分の研究室。後にも先にも、こんなケースは記憶にありません。

 同行の編集者と「妙だね」なんて話しながら、くだんの喫茶店に行くと、理由はすぐに分かりました。

 やや遅れてやってきた先生、席に座るやいなや、挨拶もそこそこにショートピースを取り出して一服。あっという間に1本吸い終わると、たてつづけにもう1本。それで、ようやく落ち着いたのか、「失礼。病院じゃ、なかなか吸えないから」と、すました顔で言います。

  結局、30分あまりの取材中に吸ったタバコは10本弱。話が一段落したとき、おそるおそる訊いたら、プライベートではいつもこんな調子なのだとか。

「人間、いくら養生しても寿命がくれば死ぬのよ、ワッハッハ」と、豪快に笑い飛ばしたものです。

 そりゃ、そうですが・・・。ただ、患者さんにも、そう言っているのかどうかは訊き漏らした、というより、訊けませんでした。

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2013年10月25日

【004】漢方薬は本当に安心か?

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 漢方薬は自然の植物を素材にしているものが多いので、体にやさしく、化学製剤のように副作用などの薬害がない。そんなふうに思っている方が多いのではないでしょうか。

 間違いとまでは言いませんが、その思いこみは少々危険なようです。

 漢方医学の名医、鍋谷欣市先生(東京・昌平クリニック院長)は、こう言っています。

「漢方は、患者さんの証(病気が示している症状)を細かく見立てた上で、生薬の配合やさじ加減を決めます。証は人によって、あるいは病気の進行具合によって微妙に異なり、この見立てが漢方医の腕になります。見立てが正確なら、漢方薬は化学製剤以上の薬効を発揮しますが、逆に見立てちがいの薬を飲むと、効かないだけでなく、さらに病状を悪化させることがあるのです」

  たとえば、カゼには葛根湯が有名ですね。でも、これにしても、実証の人(ふだんから比較的体力があり、胃腸が丈夫)には有効ですが、逆に虚証の人(体力がなく、胃腸が弱い)には効きません。カゼがよくなるどころか、胃まで悪くしてしまうこともあるのです。

「同じ病でも、同じ薬が効くとはかぎらない。薬の難しさは、実にそこにある」

 中国・後漢(25〜220年)の時代に漢方の聖典『傷寒論』を著した張仲景も、そう残しています。

 餅は餅屋。漢方薬の効果を確実にしたいなら、やはり専門家の力を借りた方がよろしいようで。

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2013年11月01日

【005】華侘仙人の健脳法

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 ひきつづき、漢方(中国医学)のお話です。  漢方のお医者さんに取材すると、ときどき話題に出てくるのが、華侘(かだ)という医師です。

 華侘は、前回登場した張仲景と同じ後漢(25〜220年)の末期、三国志ファンおなじみの劉備や諸葛孔明、曹操らと同時代の人です。

 華侘は、おそらく史上初めて麻酔を使い、開腹手術をした医師です。麻酔は麻沸散(まふつさん)という、自ら開発した漢方薬を用いたそうですが、材料となる生薬の種類はつまびらかではありません。

 お酒と麻沸散で全身を痺れさせた後、鋭利な刃物でお腹を開いて腸を取り出す。そして、手早く患部を処理し、再び腸を納めると、切開したお腹を糸で縫い合わせたとか。

 現在なら何でもないような技術ですが、なにしろ、今から2000年も昔のこと。まさに神業としか言いようがありません。

 華侘もすごいけれど、患者もすごい。いくら酩酊状態にあったとはいえ、その勇気たるや、大変なものだったのではないでしょうか。

 華侘は、その天才でさまざまな医術を開発し、多くの人々を救いましたが、惜しいことに、医術の詳しい内容は記録としてほとんど残っていません。

 というのも、彼は根っからの自由人で、反権力の人。「侍医として仕えよ」との曹操の要請を頑なに拒みつづけたため、最後は処刑されてしまうのですが、その際に、処方などを書き留めた書類はすべて焼かれてしまったからです。

 ただ、その一端は華侘仙人の健康法として、さまざまな形で現在に伝わっています。

 たとえば、脳の働きをよくし、集中力を高める食事として、次のような秘法があります。(1)午前10時に干しぶどうを20個食べる。(2)午後4時にそら豆を20個食べる。(3)寝る前にバナナ1本を食べる。これを10日間つづけ、10日間休み、また10日間つづける。

 興味のある方は、ぜひ試してみてください。2、3ヶ月もすれば、仕事の能率もグンと上がるようになるとか。

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