2017年08月04日

【201】歯の病気なんて侮っていたら、命にもかかわる歯周病

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 今回から歯周病について少し書きます。

 虫歯は嫌だけど、歯なんて少々痛んでも、しょせん命まで取られるわけじゃない、とうそぶいているアナタ。歯は大事ですよ。とりわけ歯周病は侮っていると、とどのつまりは寿命を縮めることにもなりかねません。

 80-20(はちまるにまる)運動というのを知っていますか?  厚労省や日本歯科医師会が中心になって推進されている運動で、「満80歳で自前の歯を20本以上残す」ことを目的としています。

 年をとっても自分の歯でしっかり噛める。それこそが、当欄のタイトルでもある「元気で長生き」の大きな原動力になるからです。

 この80-20運動において、最大の敵とされているのも歯周病です。

 歯周病は、歯肉(歯茎)と歯の根との間にある歯周ポケットと呼ばれる部分にたまった食べかす(歯垢)が細菌感染し、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしていく病気です。土台が溶ければ、歯が抜けてしまうのは言うまでもありません。

 歯周病が恐いのは、単に歯がなくなるだけにとどまらず、健康への悪影響ははかりしれないものがあります。

 一番の問題は、歯周病で生じるさまざまな有害物質が体内に運ばれることです。

 歯周病の患部は、慢性的に炎症を起こしています。この炎症を抑えるために免疫細胞が歯周病菌と戦いますが、その過程で活性酸素や悪性タンパクなどの有害物質が生まれます。

 ほかにも、歯周病菌そのものや、歯周病菌が出す毒素などで、口内はいっぱい。これらの有害物質が血流に乗って全身に広がり、やがてさまざまな病気や不調を引き起こすのです。

 例えば、脳梗塞や心筋梗塞などの原因になる動脈硬化も、その1つです。歯周病の患部から放出された炎症を促進するサイトカインという物質が動脈の中に入ると、酸化したLDLコレステロールを取り込んで血のかたまり(血栓)をつくります。これが血管壁に沈着し、動脈硬化を促進させるのです。

 そのほか、すでに研究で明らかになっている歯周病のリスクとしては糖尿病、脳梗塞・心筋梗塞、認知症、骨粗鬆症、関節リウマチなどがあげられます。

 どうです。たかが歯の病気などと言ってる場合じゃないでしょう。

 次回は、健康長寿の鍵を握る歯周病対策について、お話しします。


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2017年08月11日

【202】歯周病対策は、歯医者に歯垢を取ってもらうのが一番

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  先日、歯医者に行って虫歯治療をしてもらいました。かなり進んでいたようで、ジージーガリガリの大工事。治療中は麻酔の威力があったものの、終わった後の痛みは大変なもので、食べるのも一苦労でした。

 思うに、虫歯はED(勃起不全)に似ています。あちらは性欲があるのに勃たない。こちらは食欲があるのに噛めない・・・どちらも寂しいものです。

 閑話休題。

 前回、歯周病は糖尿病や動脈硬化、認知症など、さまざまな病気の元になると書きました。でも、歯周病が厄介なのは、それだけではありません。

 日常生活のQOL(生活の質)もグンと低下してきます。

 まず、口臭がきつくなり、誰も寄ってこなくなります。特に営業や接客業をやっている方には致命傷になりかねません。

 また、咀嚼がままならなくなって、何を食べても美味しく感じなくなってしまいます。それでは、人生の楽しみの半分、人によってはほとんどすべてを奪われてしまうでしょう。

 歯周病を防ぐには、何よりも原因となる歯垢をためないことに尽きます。

 歯の表面には、唾液成分の糖タンパクでつくられる薄い皮膜があります。ここへ虫歯菌が付着し、食べかすに含まれるショ糖を分解してネバネバした物質を増やします。

 これが歯垢です。歯垢は歯周病菌にとって非常に住み心地が良く、繁栄と増殖の温床になります。

 この歯周病菌の出す毒素が炎症を引き起こして歯ぐきを腫らし、やがて歯のまわりの組織(歯根膜や顎の骨)を破壊していくのです。恐いですねえ。

 歯垢を形成してしまうと、歯磨きや唾液の抗菌作用では、細菌の繁殖を止めることができません。歯垢も歯石(歯垢が石灰化したもの)も、機械的に取り除かないと歯周病はどんどん悪化していくのです。

 もちろん、歯垢をつくらないようにするために歯磨きは大切ですが、できてしまった歯垢はそれだけでは間に合いません。歯医者さんで除去してもらうのが一番手っ取り早く、また確実です。

 除去治療は痛みは伴わないので、虫歯治療のように恐れることはありません。半年に1回くらいのペースで、定期的に行うようにすれば万全です。

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2017年08月18日

【203】間違いだらけの「歯の磨き方」

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 ひと頃、「常識のウソ」なんてのがはやりましたね。昔からそうだし、みんなそうしている。だから、てっきりそういうもんだと思いこんでいたことが意外に間違っていた、なんてことはけっこうあるものです。

 歯の磨き方にも、それはあります。一番目立つのが、「食べた後にすぐ磨くべし」。あなたも、そう思っていませんか? でも、これはバツです。

 かく言う筆者も小さい頃から「食べたらすぐに歯を磨け」と親や先生から口酸っぱく言われ、そういうもんだと思ってきました。

 それが間違いどころか、逆に歯や歯茎にダメージを与え、歯周病の大きな原因となっていくというのですから、ビックリです。

 あまり知られていないことですが、欧米では日本人の口臭が最も強烈だと思われているとか。これは歯周病のせいで、「その原因の多くは、日本人特有の食後すぐの歯磨き習慣にある」と考えている歯科医も多くいるようです。

 では、何故、食後すぐの歯磨きはよくないのか。カギは唾液にあります。実は、唾液は歯周病予防にはとても大切な働きをしているのです。

 簡単に説明しましょう。

 口の中には約100億個、人によっては1兆個もの細菌がいると言われています。口内は常に中性に保たれていますが、これら細菌の働きが活発になると酸性に傾き、虫歯や歯周病が進みやすくなります。

 唾液には酸を中和する作用があるので、ちゃんと分泌されていれば、口内が酸性に傾いても徐々に中性に戻され、自然に歯や歯茎を守ってくれるのです。また、こうした唾液の力が最も高まるのが食後と言われています。

 でも、食後にすぐに歯磨きをすると、大事な唾液が歯磨き剤と一緒に口の外に出てしまいます。その結果、口内は細菌の天下。やりたい放題になってしまうわけです。

  とはいえ、食後に歯磨きを急かした親や先生を責めることはできません。唾液にこのような働きがあるのは、近年になって明らかになってきたことだからです。

 科学というのは日進月歩で進歩しますから、この種の“逆転現象”は往々にしてあるのです。

 論語に曰く、「過ちを改むるに憚ることなかれ」。唾液の恩恵がお分かりになったら、今からでも遅くはありません。食後すぐ磨く習慣は撤廃しましょう。

 ちなみに「食後すぐ歯を磨く」には、もう1つの誤解もあります。

「歯磨きの目的は食後の食べかすを除去すること」と思っている人が多いようですが、そうではありません。それがもとになってたまり、やがて歯周病を起こしてしまう歯垢を除去することにあります。

 歯垢ができるまでにはおよそ24時間とされていますから、別に食後すぐに食べかすを除去する必要はありません。それよりも唾液をたっぷり保つことのほうがよっぽど重要なのです。

 歯垢を除去する最も効果的な歯磨きは「夜就寝前」と「起床後すぐ」です。

 歯に挟まった食べかすが気になる場合は、軽く水ですすぐか、デンタルフロスを活用しましょう。

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2017年08月25日

【204】腸を整えて厄介な夏風邪を撃退!

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 連日の熱中症警報。その猛威の陰に隠れて目立ちませんが、ジワジワ勢力を拡大しつつあるのが夏風邪です。

 筆者のまわりにも、被害者がけっこういます。中には甥っ子のように、せっかくのお盆休暇に夏風邪をこじらせ、計画していた家族旅行もオジャン。子供たちから大ブーイングを食らったドジなヤカラもいるようで・・・。

 というわけで、今回は「夏風邪にご用心」。そろそろ秋風が立つ今こそ、油断大敵。気温が変わりやすい時期ほど、カゼをひきやすいものです。

 夏風邪の流行もウイルスの感染によりますが、冬とはその種類が異なります。

 冬風邪と比較すると、「下痢や嘔吐など、お腹にくることが多い」、「口内や手足に水疱ができることがある」といった症状が多く見受けられます。

 もう1つ、のどや口内に痛みが生じることが多いのも、夏風邪に多い症状です。夏風邪ウイルスのヘルパンギーナに感染すると、口内やのどの粘膜に多数の水疱をつくります。それが破れたときに患部に激痛が走るのです。

 逆に、冬風邪にはつきものの激しい咳や痰が出ることは少ないようです。

 また、夏風邪は治ったと思ったら、またぶり返して長引きくことが少なくありません。これは暑さで食欲が落ちたり、睡眠不足がつづくなどして、体の抵抗力(免疫)が下がりがちになることが一番の原因と考えられています。

 さて、夏風邪対策ですが、基本的に夏風邪を治す薬はないとか。ですから、医者もそんなに頼りにならず、安静にして時を待つしかないようです。

 ただし、特に下痢や嘔吐、頭痛などの症状には、別の病気が隠れていることもあるので、念のためにも受診をおすすめします。

 そこで大切なのは、予防策になります。夏風邪ウイルスが侵入しても速やかに撃退してくれる免疫力を日ごろから備えておきましょう。

 最も有効な方法は、腸内環境を整えること。というのも、私たち人間の免疫細胞の大半は腸内にあるからです。

 そのためには、食を改善するのが一番。特に食物繊維を多く含む野菜や海草類、またヨーグルトなどの乳酸菌含有食品などを積極的に摂るようにしたいものです。

 食欲のわかない夏場でも、こうした食品ならOKですよね。

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