2017年01月06日

【171】痩せる脂肪細胞

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「脂肪細胞って、脂肪をためるだけかと思ってたけど、脂肪を減らす脂肪細胞というのもあるのね」

 先日、カミさんが、すごい発見でもしたかのように大騒ぎ。どうも、テレビか何かで知ったらしいのです。

「何を今頃」と冷ややかに笑った私も、実はしばらく前に取材で知ったばかり。エラソーなことは言えません。

 まだ、ご存じない方のために、簡単に説明しましょう。

 脂肪細胞には白色脂肪細胞と、褐色脂肪細胞の2種類があります。

 圧倒的に多いのは前者で、全身にくまなく分布し、あまった脂肪をせっせとため込む性質を持っています。これが肥満の基本的なメカニズムです。

 ところが、同じ脂肪細胞でも褐色肥満細胞は正反対の性質。体内の脂肪を燃やしてエネルギーにする働きを持っているのです。

 同じ脂肪なのに、なぜ、こんな正反対の性格の持つ脂肪があるのか。理由は、私たち人間がオギャアとうぶ声を上げる頃のことにさかのぼります。

 10月10日の間、温かい母親の胎内でぬくぬく育ってきた胎児は、生まれ出ると、突然冷たい外気にさらされます。

 この状態では危険ということで、登場するのが褐色脂肪細胞です。

 心臓や肺など、大切な臓器の周囲に分布している褐色脂肪細胞が体内の脂肪を燃焼させることで体温を保ち、生命の維持を図ってくれるのです。

 ホント、誰がつくったか知りませんが、人間の体って、つくづくよくできているなと思いませんか?

 ところで、この褐色脂肪細胞、成人になると、その役割を終えて消失すると考えられていましたが、最近の研究では一定程度は残り、引きつづき機能することが分かってきました。

  最近、この残った褐色脂肪細胞を活性化させることで脂肪燃焼を高めるダイエット法が注目を集めています。

 ポイントは、白色脂肪細胞が全身にくまなく分布しているのに対し、褐色脂肪細胞は首の周り、脇の下、肩甲骨の周り、腎臓など存在場所は限定されていること。その意味で、一番効果的なのは肩胛骨、つまり肩や首のまわりを動かす運動になります。

 たとえば、左右の手をそれぞれの肩に当てた姿勢で、ひじと腰を前と後ろにぐるぐる回します。これは肩胛骨ダイエットの基本の動作ですが、かなり効果があることが報告されています。

 また、歩くときに腕を後ろにだけ振るようにするだけでも、肩胛骨がよく使われて褐色細胞を刺激します。

 褐色脂肪細胞が低温下で働く性格を利用した、もっと楽な方法もあります。

 水を入れて凍らせたペットボトルを首筋に当てて冷やす。特に動かずとも、これだけでもダイエット効果が生まれるそうです。まあ、今のような寒い時期だと、痩せる前に凍傷になりかねませんから、おすすめできませんが。


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2017年01月13日

【172】緊急報告! 梅毒が流行中です!

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 梅毒なんて、赤線・青線華やかなりし時代の病気だろ? なんて、懐かしげに遠くを見つめているアナタ。とんでもない話ですよ。

 梅毒は、スピロヘータの1種である梅毒トレポネーマという病原菌によって感染、発症する性病です。

 これが相当しぶとい細菌なので、ちょっとやそっとのことでは死に絶えません。医療の網をかいくぐって、確実に子孫を残します。

 ちなみに、若い方は赤線や青線と言われても、何のことか分からないかも知れません。赤線とは、公認の売春地帯のこと。青線は非公認、つまり闇の売春地帯のことです。

 どちらも1958(昭和33年)の売春防止法成立以来、廃止されました。

 確かに梅毒も、これを境に下火になりました。政府統計などによると、1950年代には最大12万人の患者がいましたが、以降は減少モードに入り、ここ10数年は1000人程度で推移していたようです。

 ところがどっこい、5年前から急速に息を吹き返し、昨年は4000人を超えるまでになったのです。

 梅毒はセックスによる感染がほとんど。当然、フーゾクの存在が浮上しますが、厚生労働省の見解では「それだけでは説明できない危機的状況」として、警戒を促しています。

 そこで、何となく心配になってきた方に対処法をご案内しておきましょう。

 親の目を 盗んだ息子 鼻が落ち

  江戸時代には、こんな川柳がはやったそうです。親の「目」を盗んで吉原で遊んだのはいいけど、かわりに「鼻」を取られてしまった、というわけですね。

 梅毒にかかると、体中にゴム腫と呼ばれる腫瘍ができ、このように鼻が欠けたり、皮膚がただれたりしてきます。また、心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死に至ることもあるという、怖ろしい病気です。

 でも、昔はともかく、今は大丈夫。ペニシリンなどの優れた抗生物質の普及で、感染しても早めに治療すれば、すみやかに完治するそうです。

 梅毒はT期〜W期の段階があります。

 最初は陰茎に豆粒くらいの小さなしこりができ、それがつぶれて潰瘍ができます。

 ところが、この段階がクセモノで、痒いとか痛いという症状はなく、そのままにしていれば、消滅していきます。でも、菌は深く静かに潜行し、数ヵ月後には再度来襲。今度は全身に赤い斑点があらわれてきます。これがU期です。

 大事なのは、このくらいの段階までに受診すること。さらに放置していると、いくら強力な抗生物質といえど、効き目が悪くなってくるので要注意です。

 まあ、亀頭や陰茎など、ふだんできそうもないところにデキモノができれば、たいていの人は、これは普通じゃないと慌てるんじゃないでしょうか。ましてや、身に覚えのある方なら・・・・。


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2017年01月20日

【173】口呼吸が怖いのはカゼばかりじゃない!

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 カゼやインフルエンザの予防といえばマスク、手洗い、うがいですが、もう1つ、大切なことがあります。口で息を吸う、つまり口呼吸をやめることです。

 本来、呼吸、特に吸うほうは鼻で行うのが正しく、口は補助役に過ぎません。

 にもかかわらず、不自然な口呼吸をつづけていると、体調にさまざまな弊害が生じてきます。

 何故でしょうか。

 鼻から吸った外気は、鼻腔の奥の狭い空洞を通る間に適度な加湿と加熱がされて、のどに達します。ところが口呼吸ではそうはいきません。

 特に冬場などは冷たく、乾いた空気がのどを直撃し、気管支や扁桃、鼻腔に炎症を起こしやすくなります。

 また、鼻の粘膜には細菌やウィルスなどの異物を除去する免疫システムが備わっていますが、口にはそれがありません。そのため、口呼吸をつづけていると、カゼやインフルエンザなどを代表とする感染症にかかるリスクが高くなってしまうのです。

 それだけではありません。口呼吸は膠原病、ネフローゼ、花粉症、ぜんそく、アトピー性皮膚炎など、免疫の異常から発生する病気とも深い関係にあると言われています。

 というのも、のどには免疫のコントロールに非常に重要な役割を持っている咽頭扁桃リンパ輪という免疫気管があり、それが口呼吸をつづけることで傷つき、免疫システムに誤作動が起きてしまうことがあるからです。

 息を出すときは鼻でも口でもかまいませんが、吸うときは鼻から吸う習慣を身につけることが、健康にはとても大切なのです。

 口呼吸が多いかどうか分からない人は、次のようなチェックポイントを目安にするといいでしょう。

 ・いつも口が少し開いて、しまりがないように見える。
 ・前歯が飛び出ていたり、歯のすき間が多い。
 ・受け口である。
 ・同じ側の歯でばかり、ものをかんでいる。
 ・唇がカサカサに乾燥していることが多い。
 ・朝起きると、のどが痛むことがよくある。

 以上のうち、2つ以上当てはまる場合は、口呼吸の割合が多いと考えていいでしょう。

 では、口呼吸を改めるには、どうしたらいいでしょうか。起きているときは、できるだけ意識して行う以外に、次のようなエクササイズがあります。できるときに実践していれば、やがて自然に口呼吸になっていくでしょう。

 ・寝るときにはおしゃぶりを加えて寝る。
 ・口だけにマスクをする。
 ・口を閉じ、いつも使わないほうの歯でガム(無糖)をかむ。
 ・約1%の食塩水でうがいをする。

 最後の食塩水によるうがいは、咽頭扁桃リンパの菌を除去し、その働きを高めてくれます。うがいは「あー、いー、うー、えー、おー」と言いながらやると、いっそう効果的です。

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2017年01月27日

【174】ここ一番の前には簡単なリズム運動を

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 リズム運動というと、何だか幼稚園のころのお遊戯を思い出しますね。

 でも、このリズム運動、実は大人にもすごくおすすめなのです。体を使って一定のリズムをとることは、緊張をすみやかに取り去り、心身をリラックスさせてくれるのです。

 脳科学の専門家によれば、体操、ジョギング、自転車こぎ、水泳など、単調な反復運動を5分〜30分くりかえしていると、脳の前頭葉の先端(前頭極)でセロトニンと呼ばれる神経伝達物質の分泌が急速に活性化されるからだとか。

 セロトニンは「幸せの神経」とも呼ばれる神経伝達物質。心に安定と調和を保ち、「スッキリ爽快な意識」をつくり出す働きをしているといいます。

「リズムが心を癒す」効果は、特に運動にかぎったことではありません。

 法事などで、お坊さんの読経を聞いているうちに、何となく気持ちが良くなってきて、ついウトウト。こんな経験をお持ちの方は多いと思います。

 筆者などはウトウトどころか、イビキつきの爆睡状態になってしまい、親戚中のひんしゅくを買ったことがあります。後で住職さんに謝ったら、「いやいや、それだけ拙僧の読経のリズムがいいということですから」とドヤ顔されてしまいました。でも、これって、必ずしも坊さんの方便とか負け惜しみではないようです。

 音楽とか読経のように、聴覚が一定のリズムで刺激されていると、体を動かすのと同じセロトニン現象が脳内に起きてくるのです。

 このメカニズムは仕事の上でも役立ちます。

 大切なプレゼンや会議があると緊張してしまう人なら、その10分くらい前に腹式呼吸や、簡単な体操を繰り返します。すると、脳や筋肉の緊張が取れ、心身ともにリラックスしてきます。

「人」という文字を手のひらに書いて飲み込むより、よっぽど科学的で、もちろん効果も高いようです。

 長時間行う必要はありません。リズム運動でセロトニンの分泌量がピークに達するのは5分ほど。30分ほどその状態がつづき、以後はつづけていても、逆に疲労物質がたまりだし、セロトニン神経の活動を弱らせてしまうので、注意してください。

 五郎丸のお祈りポーズではありませんが、ここ一番! というときのルーティンに、ぜひ活用してみてはいかがでしょう。


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