2016年09月02日

【153】耳鳴りに効くツボ

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  不定愁訴という言葉をご存じでしょうか。ひらたく言えば、何となく体調が優れないけど、医者に診てもらっても、原因がはっきりしない症状のことです。

 不定愁訴の症状は、さまざまです。「頭が重い、痛い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などなど。今回取りあげる「耳鳴り」も、その1つといえるでしょう。

 耳鳴りの多くは、内耳にある蝸牛(かぎゅう)という器官の中にある有毛細胞の故障が原因です。有毛細胞は音を電気信号に変えて脳に伝える役割を持っていますが、その機能が衰えることで、雑音を脳に送るようになってしまうのです。

  耳鳴りは老化やストレスなど、さまざまな原因が上げられますが、漢方では、こうした原因の根底に「冷え」があると考えます。

 体が冷えると、それに伴って「腎」(腎臓、副腎、生殖器、脳など)の機能が低下し、血流が悪くなります。すると、頸椎(背骨の首の部分)でも血流が滞るため、耳の周辺の血液循環が悪くなります。

 その結果、耳の細胞への栄養や酸素の補給も停滞し、活動も低下してくるというわけです。

 この耳周辺の血行をよくすることで、耳鳴りを改善する方法が、昔からかなりの効果を発揮しているようです。

 ここでは、石鍋和崇先生(耳ハリ治療室和夏那代表)が推奨している方法をご紹介しましょう。

 まず、耳の頸椎の反応点(ツボ)を刺激しましょう。耳たぶのすぐ上にグリグリした出っぱりがあります。その出っぱりの斜め上後方にあるくぼみが頸椎の反応点です。

 ここに人さし指の腹を当て、円を描くように回しもみをします。

 次に、外耳や中耳への刺激です。

  外耳の反応点は、耳の穴の前にある出っぱりの少し上に。中耳の反応点はそこから少し内側に入ったくぼみにあります。

 どちらも人さし指の腹を当て、ゆっくり回しもみをします。

 最後に耳下腺(耳の下にある唾液腺の1つ)への刺激です。耳たぶのすぐ上に軟骨が出っぱっている部分があります。その前のへこみが耳下腺の反応点です。

 人さし指の腹をここに当て、さらに親指を耳たぶの裏側に当てて、耳たぶを挟むようにして回しもみしましょう。

 耳鳴りがある人は、たいていこれらの反応点が硬くなっています。それをほぐすようにもむのがコツです。

 反応点の位置が正確に分からない場合は、その辺り一帯をまんべんなく回しもみするだけでもけっこうです。

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2016年09月09日

【154】隠れ不眠も侮れません

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 最近の健康シーンでは「隠れ○○」という名称が流行っています。

 隠れ脳梗塞、隠れ高血圧、隠れ脱水症・・・。どれも病気というより病気一歩手前の未病状態。いわばイエローカードのようなもので、気をつけないと本格的な病気になりますよ、という警告を体が出している状態です。

 そんな1つに、隠れ不眠というのがあります。

 名付け親は睡眠改善委員会。“良い睡眠”をとることで健康的な生活をはかろうと、睡眠の専門家が集まって5年前に発足した組織です。

 ちなみに同会は設立日の2月3日と、毎月23日を「不眠の日」と制定しました。

「かくれ不眠とは、ひとことで言えば短期で軽度の不眠が繰り返される状態。その時点では大したことはないように思うでしょうが、侮ることは出来ません」と警鐘を鳴らすのは、同委員会の古賀良彦先生(杏林大学医学部教授)です。

「最近の研究で、かくれ不眠が私たちの健康やQOL(生活の質)に及ぼす弊害が大きいことが明らかになってきたのです」

 まず、かくれ不眠も放置していれば、やがて本格的な不眠症に陥る可能性が高いこと。不眠症の改善は時間をかけて専門的な治療を受けなくてはなりません。

 その間の精神的、身体的な苦痛はもちろん、生活や仕事の上で受ける不利益もはかりしれないものがあります。

 また、隠れ不眠であっても、慢性的になれば、その弊害は見過ごせません。

 特に自律神経系への悪影響です。自律神経は私たちの生命活動の基本ですから、このバランスがくずれると健康面にさまざまなリスクが生まれます。

 特に肥満、高血圧、糖尿病、うつなどの引き金になることが明らかになっています。

 また、眠りの質の悪さは集中力の低下を招き、仕事の効率や生活の質の低下を招きがちです。

 最近、何となく気分が晴れない、体調がすっきりしない、やる気が湧かない・・・。そんな方は、案外かくれ不眠が原因かも知れません。

 かくれ不眠の段階であれば、心がけ1つで用意に改善できます。

 大切なのは1日をできるだけリズミカルに過ごすこと。寝る時間、起きる時間を決め、それからできるだけ外れないように心がけるだけでも、ずいぶん睡眠が改善されてくるそうです。

  そのほか、食事やお風呂は就寝の2時間以上前に済ませること。寝る前は音楽を聴いたり、アロマを楽しむなど、自分なりの入眠儀式をつくっておくのも効果的です。

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2016年09月16日

【155】秋の花粉はノドにくる

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 夏も終わったばかりだというのに、早くも鼻をクシュンクシュンさせたり、ゴホンゴホン咳きこんでいる人が増えています。

 ただ、よく見ると、症状は風邪というより花粉症そのものです。

 まさか。花粉症のシーズンなんてとっくに終わっているはず・・・。なんて思う方は少々認識不足かもしれません。

 花粉は、1年を通して日本中に飛散しており、花粉症の発症も基本的には季節を問わないのです。実際、あまり症状がひどくならないので目立ちませんが、真夏でも目がかゆくなったり、鼻がムズムズしている人もいます。

  もちろん、もっとも飛散量が増えるのが春になるわけですが、秋の花粉症も決して侮れません。

 秋に発症する花粉症の特徴の1つは、ノドにも出ること。ぜん息のような症状を引き起こすこともよくあります。

 これは、花粉の種類の違いからくるものです。

 春の花粉症の原因になるのは、もっぱらスギ花粉やヒノキ花粉ですが、これらは粒子が大きいので鼻や目の粘膜、つまり体の入り口に溜まりやすく、そのため、つらい症状も目や鼻に出がちです。

 一方、秋の花粉症の場合、大半はブタクサ(キク科)の花粉が原因。これは粒子が小さいため、鼻を通り抜けて気管支まで達し、そこで炎症などを起こすことがあるのです。

 ノドがイガイガしたり、エヘン虫がしきりに出る程度ならいいですが、放っておくと本格的な気管支炎に進み、治療もより厄介になるので、注意が必要です。

 もちろん、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみの「花粉の4大症状」が、秋も幅を利かせることは変わりありません。

 秋の花粉症の原因は、ブタクサのほかにヨモギ(キク科)、カナムグラ(アサ科)など。これらは、河原や公園、道ばたに他の雑草に混じって生息しています。

 そんな中を通ると、知らぬ間に花粉をたっぷり吸い込んでしまいかねません。

 特に花粉アレルギーのある人は、ブタクサなどの花粉飛散時期(8月〜10月)が過ぎるまで、そのような場所は意識的に避けるようにしたほうが賢明です。


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2016年09月23日

【156】食物繊維は便秘予防に摂るのがセオリー

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 便秘というと、「食物繊維をたくさん摂らなきゃ」。たいていの人は、そう思いますよね。

 もちろん、間違いではありません。

 しかし、そこには意外な落とし穴も待ち受けているので、注意が必要です。

 私の友人の女性(50代)などは、ふだんは野菜嫌いなのに、3〜4日“訪い”(このへんは上品に)がないと、いきなりボウルに2杯もの、レタスやらキャベツやらトマトやら海藻やらがたっぷりつまったサラダを必死の形相で平らげます。

「それでも、ウンでもないし、スンでもないことが多いのよ。嫌になっちゃう」

 ウンでもスンでもないわけです。

 確かに食物繊維は便秘には効果的ですが、ただ、むやみやたらに摂ればいいというものではありません。

 肝腎なのは「食べる時期」です。

  実は、食物繊維が効くのは便秘になる前であって、便秘になってからでは手遅れ。というより、さらに便秘を重くする羽目にもなりかねないのです。

 食物繊維には、水に溶けやすい水溶性と、溶けにくい不溶性の2種類があります。海藻や果物、コンニャクなどは不溶性。野菜や穀類、豆類などは不溶性になります。

 排便に役立つ理由は、それぞれ違います。

 水溶性食物繊維は腸内に入ると、便に適度な水分を与えて、体外に出やすくします。

 一方の不溶性食物繊維は、腸内で膨張することで腸管を刺激。それが腸のぜん動運動運動を活発にし、排便を導くのです。

 ただ、どちらも、すでに腸内に便が溜まりに溜まっているような、筋金入りの便秘解消には役に立ちません。 

 水溶性の場合は、ただでさえ何日も腸内に居座って水分不足になっている便から、さらに水分をとってカチカチにしてしまいます。 こうなると、いくらぜん動運動で押し出そうと頑張っても、腸管にへばりついた便は容易には出なくなってしまうのです。

 不溶性の場合は、ふくらんだ食物繊維が腸管を狭くし、かえって便の渋滞を起こしてしまいます。

 ですから、便秘のときにはうどんやお粥など、消化吸収の良い炭水化物をとる。そして便秘が解消してきたら、再発予防のために食物繊維を積極的にとるようにする。 

  これが、対便秘食物繊維活用法のセオリーなのです。

 ところで、先日、NHKの『ガッテン!』で紹介していた「うつ伏せ寝」。これ、本当に便秘解消に効くようです。

  やり方は、夜寝る前にうつ伏せの状態で10分間静止。その後、寝たまま体を左右に交互に各5回ずつ傾けます。

 日ごろ、こういうことには懐疑的なカミさんも「これ、効くわあ」って、喜んでました。


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2016年09月30日

【157】気温が乱高下する時期は血圧にご用心

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 季節は秋だというのに、このところは鬼のような残暑でしたね。かと思えば、その前はセーターでも引っ張り出したくなるような涼しさ。まさに気温の乱高下がつづきます。

  こんなときには体調を崩しがち。とりわけ、日ごろから血圧が高い人、前に脳梗塞や心筋梗塞など、血管系の病気で倒れたことのある人は警戒警報発令です。

 当コラムの113回目(15年11月)で、ヒートショックの恐さをご紹介しました。

  ヒートショックとは、家の中の急な温度変化がもたらす体への悪影響。特に厳寒の季節には血圧の大きな変動を招き、脳梗塞や心筋梗塞などの重大疾患を招くこともあります。

 このヒートショックと同じような現象が、昨今のように気温が乱高下する時期には起きやすいのです。

 特に注意したいのは、前日より気温がグンと下がったときです。この“グン”の目安は、だいたい5度以上と言われています。

 5度というのは、生体機能が確実に変化を感じる温度差です。そして、実際には、これに風や湿度が加わるため、体が感じる負担はさらに大きくなります。

 気温が急激に下がれば、心臓は体が冷えないように血液を懸命に全身に送り出すために血圧は急上昇します。

 これが脳血管や心臓の発作爆発の引き金になるのです。

 大切なのは、何よりもまず、体を冷やさないこと。冷えはあらゆる病気の元になると言われていますが、特にこの時期はケアが必要です。

 ただ、日中、起きているときはともかく、就寝中の気温の変化にはなかなか対応できません。

 しかも、血圧というのは、この間から起床時にかけてが最も変動が大きくなりがちなのです。一般的には、60歳以上の40%が夕方から朝にかけて血圧が上がる夜間血圧上昇型と言われています。

  対策としては、まず天気予報をこまめにチェックすること。それと、エアコンのタイマーを上手に活用することです。

  翌朝に冷え込むようなら、エアコンのタイマーを使って、朝方に暖房が作動するようにします。また、毛布を1枚、枕元に用意しておき、目が覚めたときにかけるのもいいでしょう。

 逆に、夜は冷えるけど、翌朝は気温が上がりそうなときもあります。こんな場合は、就寝前に適度な温度に部屋を暖め、2〜3時間後にオフになるように、タイマーをセットします。

 予防に優る治療なし。これこそ、健康法の最強の奥義なのです。


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