2016年03月04日

【127】ストレス講座(3)〜笑いはなぜストレスに有効なのか

第127話用イラスト.jpg

 ストレスから体を守るには笑いが一番。こんな話をよく耳にしませんか?

  お金も手間もかからず、毎日おもしろおかしく笑っていれば健康になるなんて・・・。疑り深い人はそんな疑問を持たれるかもしれませんが、実はこれ、正真正銘の事実。免疫学を中心に、多くの医学研究でも明らかになっているのです。

  免疫の専門家は、このように言っています。

「心と体は自律神経によって密接に結ばれています。ストレスで自律神経が極端に交感神経に傾いてバランスを失っているときでも、笑うことで副交感神経に傾き、バランスを戻してくれるのです」

  副交感神経は血行を促進し、筋肉の緊張をゆるめてリラックスさせる神経なので、これによって体の免疫力も上がっていきます。

 医学的には、副交感神経が優位になることで、ナチュラルキラー(NK)細胞という免疫細胞が活性化するとのことです。

 NK細胞は免疫の主要部隊で、ウイルスやガン細胞のせん滅に働く重要な細胞ですから、健康には大きなアドバンテージになります。

 笑いの医学的効用なども研究している「日本笑い学会」の副会長、昇幹夫医師は「笑いは吐くのと同じ生理現象」と言います。

 私たちは、体に悪いものや合わないものを食べたとき、すぐに吐き出しますね。たとえ飲み込んでしまっても、嘔吐させて外に出してくれます。

  笑いも、これとまったく同じ。いやなことをやりすごすために人間が進化の過程で身につけた防衛術というわけです。

 落語や漫才を聞く、テレビのお笑い番組を見る、笑いのネタはたくさんあります。気のおけない友だちと一杯やりながら、馬鹿っ話に花を咲かせるのもいいでしょう。

 強いストレスの中にいる人は、簡単に笑えないかもしれません。そんな時は作り笑いでもいいのです。

 ストレスが強いほど自律神経は交感神経優位に傾いているので、作り笑いでさえ効果は確実に現れてくるのだそうです。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康法の舞台裏

2016年03月11日

【128】ストレス講座(4)〜タバコやお酒でストレスは解消できるか?

第128話用イラスト.jpg

 飲酒や喫煙をストレス発散の1つにしている人は意外に多いようです。本当に効果があるのでしょうか。

 正確に言えば、どちらもまったくないとは言えないようです。というのも、アルコールもタバコのニコチンも一定量までなら副交感神経を刺激してリラックス効果を生むからです。

  ただ、問題は量。中世の学者、ファラツェルスが唱えたよう「量が毒をなす」で、どちらも量が増えると副交感神経優位から交感神経優位に切り替わり、ストレッサー(ストレスの原因)となって免疫力低下など、体に害を及ぼすようになってしまうのです。

 特に弊害が大きいのはニコチンです。最初の一服、二服程度なら問題はないでしょう。緊張がほぐれ、血圧もこの時点ではむしろ下がります。狭心症の薬にニコチン様物質を用いるのも、この作用があるからです。

 ただ、愛煙家ならよくお分かりでしょうが、これでは済まないのがタバコ。習慣性が強いため、どうしてもニコチンの摂取量は増え、交感神経優位になってしまいがち。その結果、血圧が上昇するなど、さまざまな弊害が起きてくるのです。

 適量というのが難しいタバコは、やはりキッパリやめるしかないでしょう。

 いっぽう、「百薬の長」などとも言われるアルコールはどうでしょうか。お酒を飲むと、最初は血管が拡張して脈がゆっくりしてきます。これは副交感神経が優位になった証。ここでストップしておけば、ほどよいリラックスを得て、免疫力にもプラスになります。

 しかし、「百薬の長」と言えるのも、ここまで。それ以上過ごすと次第に脈拍が速まり、交感神経が優位になって、その結果、顆粒球が増加します。

 顆粒球はウィルスなどをやっつけてくれる免疫細胞ですが、必要以上に増えると、その死骸が活性酸素をまき散らし始めます。これが免疫力低下など、体調に悪い影響を及ぼしていくのです。

 アルコールにも依存症はありますが、タバコに比べれば意志の力でコントロールしやすいともいるでしょう。

 適量には個人差もありますが、目安としては顔が赤くなってきた程度がイエローカード。青くなってきたらレッドカードです。

 また、顔に出ない人は体がポカポカしてきて、ほどよく気持ちが良くなってきたあたりが“お開き”の目安になります。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康法の舞台裏

2016年03月18日

【129】ストレス講座(5)〜ストレスを自然に発散させるツル体操

第129話用イラスト.jpg

 昔、大ヒットした植木等さんの『スーダラ節』に「わかっちゃいるけど、やめられない」なんて一節がありました。

 作詞は青島幸男さんですが、けだし、名言。健康管理に関しても、酒、タバコ、食べ過ぎなど、こんなパターンが多いですよね。

 ただ、逆に「わかっちゃいるけど、できない」ことも、けっこうあります。

 たとえば、運動です。メタボにもストレス解消にも運動が一番と分かっていても、なかなかできない、あるいは始めてもつづかないという人が多いのではないでしょうか。

 理由は、時間がない、やり方が難しい・・・。そこで、今回はこれらの問題をクリアしたストレス解消体操をご紹介しましょう。

 これは東洋医学の大家、邱淑恵先生が考案されたもので、太極拳の動きと手のひらのツボ刺激をミックスした体操。ごく簡単ですが、終わった後はかなり気分が落ち着き、スッキリします。ぜひ、試してみてください。

<ツル体操>
(1)目を閉じ、両手を顔の前で合わせて往復30回こする。
(2)手を合わせたまま、ゆっくり背中を曲げてしゃがみ、頭を床に近づける。
(3)ゆっくり立ち上がり、両手を合わせたまま頭の上方に持っていき、体全体を引っぱるように伸ばす。
(4)元の位置に戻る。

 (1)〜(4)を5回繰り返します。

  なお、手のひらには全身の臓器・器官につながるツボが数多く集まっており、こすることで全身が刺激されて体が温まり、自律神経がほどよく調整されていきます。

 こうして神経の興奮を静め、体のバランスを整えれば、ストレスは自然に発散されます。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康法の舞台裏

2016年03月25日

【130】健康食品の落とし穴

第130話用イラスト.jpg

  量が毒をなす(ファラツェリス)・・・。前回、ストレスの話でも引用したこの言葉こそ、健康管理の根本と言えるでしょう。

 分かりやすいのが脂肪や塩分、糖分で、いずれも生きていくためには不可欠な栄養素ですが、摂りすぎれば高血圧や動脈硬化、糖尿病など、深刻な生活習慣病を招きます。

 同じことがサプリメントなどの健康補助食品にも当てはまります。

 いくら体にいい成分でも、やはり、過ぎたるは及ばざるがごとし。余分な量が体にたまると毒になってしまいかねないのです。

 健康食品ブームの昨今は、テレビをつけても新聞を広げても、さまざまな健康食品の宣伝が目白押し。やれ体に必要だ、やれ不足すると病気になるなどと脅しをかけていますが、利用を検討する場合には、きちんとした知識をもってのぞみたいものです。

 健康食品の落とし穴。2、3例をあげましょう。

  まず、人参などの緑黄色野菜に多く含まれているβ−カロテン。優れた抗酸化作用でガンや動脈硬化の予防効果が注目されていますが、サプリなどから摂りすぎるとβ−カロテン過剰症を起こし、全身の皮膚がはげ落ちたり、関節や骨の痛み、頭痛などの症状が出ることがあるそうです。また、喫煙者の過剰摂取は肺ガンや前立腺ガン、脳出血などのリスクを高めるという調査報告もあります。

 ただし、野菜や果物など、自然の食品から得る分には問題はないそうです。

 飲み過ぎや二日酔いに効くということから、特に左党に人気のウコン。主成分のグルクミンが解毒作用など肝臓の機能を促進するとのことですが、肝機能に障害がある人が摂取しすぎると鉄分が肝臓に蓄積されやすく、症状を悪化させると言われています。

  骨の生成には欠かせないカルシウムも、摂りすぎには注意が必要です。骨粗鬆症の予防や関節痛対策にサプリで補充する人が増えているようですが、過剰摂取は高カルシウム血症になり、腎結石や血管の石灰化による心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まります。

 成人の場合、1日あたり必要なカルシウム摂取量は1000〜2000ミリグラム。これは通常の食生活をしていれば十分に満たされるので、明らかなカルシウム欠乏症でないかぎりサプリで補充する必要はないと、専門家は言います。

 最近、強力な抗酸化作用を備えることからアンチエージングや生活習慣病の予防に人気のセレンの摂取上限値は1日350マイクログラム。これ以上摂取しつづけると、胃腸障害や神経障害、脱毛などの症状を起こすことがあります。

 薬同様、サプリにも副作用があることをふまえ、活用する際にはできるだけ医師のアドバイスを受けるようにしたいものです。
 
posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康法の舞台裏