2016年02月05日

【123】変形性ひざ関節症の再生医療

第123話用イラスト.jpg

 再生医療、恐るべし。つい先日も、こんな話を耳にしました。

 知人の愛猫がふとしたはずみに頸椎(首の骨)を損傷。神経まで傷ついたため、足がマヒして動けなくなってしまいました。何とかならないものかと、県内の高度動物医療センターに連れて行ったところ、首の骨の再生手術を提案されたそうです。

 何でも、治験段階を終えたばかりの最新技術だそうで、成功率も不明だし、費用もかかるとのこと。知人はさんざん迷ったあげく、手術を受けることにしました。

 結果は、めでたく大成功。すっかり元気にを取りもどしたネコちゃんは、以前同様、部屋狭しと走り回っているそうです。

  もちろん、本来の人間に対する再生医療も、さまざまな分野で急速に進んでいます。

 最近取材したのでは、ひざ痛改善のためのSCAFF天然関節治療法です。

 加齢によるひざ痛の原因は、その大半が変形性ひざ関節症。ひざ関節でクッションの役割をしている軟骨がすり減ったり、弾力性を失って、その機能が果たせなくなるものです。

 SCAFF天然関節治療法は、この使いものにならなくなった軟骨を「患者自身の脂肪から取り出した幹細胞で関節軟骨を復元させる」という方法です。

 すでに50近い症例があり、すべての例で、ひざの痛みや動きの両面で大幅な改善を確認。中には諦めていたゴルフや海外旅行も楽しめるようになった人もいるそうです。

 ひざ痛を抱え、サプリも運動療法も効果なしと悩んでいる方には朗報でしょうが、問題は治療費。保険適用外で、だいたい50万円程度かかるとか。ただ、これは人工関節置換手術(保険適用)と同じくらいで、自分の関節を残せることを考えれば、高くはないかもしれません。

 いずれにしても、再生治療の可能性は、まさに無限大という感じ。やがては、お金さえあれば200歳、300歳と生きられる空恐ろしい時代がくるのかも・・・。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康法の舞台裏

2016年02月12日

【124】科学的にも証明されている「病は気から」

第124話用イラスト.jpg

 「病は気から」なんて言うと、アナクロだの頑迷だのとお叱りを受けるかもしれません。でも、実のところ、気持ちのありようが病気の改善を少なからず後押しをすることは医学的にも実証されていることなのです。

 たとえばプラセボ効果などは、そのよい見本といえるでしょう。

 プラセボとは偽薬、つまりニセの薬(偽薬)のことです。新薬の効果を確かめる臨床試験では被験者(対象とする病気の患者)をグループ分けし、一方には本物の薬、もう一方には偽の薬(デンプンなど)を摂取してもらうようにします。

 これは二重盲検といって、被験者はもちろん、医師にも渡される薬の区別は知らされません。

 興味深いことに、こうした試験では必ず偽薬を飲んでいた人の何割かも、対象となっている症状が改善されるのです。

 甚だしい場合、例えば頭痛や高血圧などでは半数近くが改善されることもあるといいます。

 これをプラセボ効果と呼び、免疫学的には「たとえ偽でも、薬を飲んでいるという安心感が副交感神経を優位にし、リンパ球という免疫細胞の活性を高めるため」と考えられているのです。

 従来はあまり医者の間では省みられなかったプラセボ効果ですが、最近は代替医療の一環として応用する医療機関も増えてきています。

 もちろん、偽の薬を処方して一儲けしようなんて不埒なことを考えているわけではありません。

 患者さんに安心感を与え、病気に対して前向きな気持ちにさせることで、総体的な治療効果を高めることが目的です。

 特に末期ガン患者などを対象にした終末医療機関では、この効用を重視しているところが少なくありません。

 広島市で終末医療に取り組んでいる土井クリニック戸坂の土井龍一院長は、このように言っています。

「私どもではサプリメントも用いますが、サプリ自体の効果以上に、それによって患者さんに生まれてくる前向きな気持ちがQOLを確実に改善させる点に注目しています」

  また、免疫学の大家、安保徹博士(新潟大学院医歯学総合研究科名誉教授)も「病気は薬より、治すぞという気持ちが大事。そういう患者さんは医者まかせ、薬まかせの患者さんよりも、はるかに改善率が高い」と明言しています。

 大切なのは病と闘う気力をつくること−−。どうやら、「病は気から」という言葉が示唆するところも、そのへんにありそうです。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康法の舞台裏

2016年02月19日

【125】ストレス講座(1)〜ストレスが病気を招く仕組み

第125話用イラスト.jpg

 病気の原因としてよく出てくるストレス。「ストレスと老化。この2つで、たいていの診断は間に合う」などと豪語する医者もいますが、こういうのはたいていがやぶ医者です。

 それはさておき、何故、ストレスが病気を招くのでしょうか。免疫学の世界的権威として知られる安保徹博士(新潟大学名誉教授)は、その仕組みを概略を次のように説明しています。

 ストレスと病気との関係で大きな鍵を握っているのが自律神経です。

 心臓や胃腸、肺などは、私たちが意識しなくても、24時間働きつづけていますよね。これは自律神経が自動調整してくれているからです。

 自律神経は活動を促す交感神経と、休息を促す副交感神経からなっており、この相対する2つの神経がバランスよく働くことで心身の健康が保たれています。

 強いストレスを受けると、交感神経が過緊張して働きが活発化。逆に副交感神経の働きが低下してしまいます。この自律神経のバランスの崩れが、さまざまな病気の引き金になっていくのです。

 主な病気との関係を紹介しましょう。

 まず、交感神経が緊張しすぎると心拍数は上がり、血管は収縮、さらに活性酸素が増加します。

 心拍数の増加は知覚、視力、聴力など五感の働きを低下させます。また、神経の緊張や興奮が高まることでイライラや不眠、倦怠感、過食による肥満を招いていきます。

 血管の収縮は血液の流れを悪くしたり、血液が減少して酸素が不足する虚血状態を招きます。その結果、内臓組織に老廃物がたまるなどして、ガンを含むさまざま内臓疾患のリスクを高めていきます。

 活性酸素の増加は細胞組織の老化をはやめ、シミやシワ、くすみなどができやすくなります。また、組織を破壊して炎症を誘発し、ガンや胃潰瘍、糖尿病、痛風、潰瘍性大腸炎などの引き金になると考えられています。

 交感神経の一方的な緊張は、相対する副交感神経の働きを低下させます。これは免疫力の低下につながり、各種感染症やカゼ、さらにガン細胞の増殖を促すようになります。

 では、過剰なストレスを避けるにはどうしたらいいのでしょう。その1つは「嫌いな人とつき合わないこと」です。

 詳しくは、次回にお話ししましょう。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康法の舞台裏

2016年02月26日

【126】ストレス講座(2)〜嫌いな人とはつき合わないのが長生きの秘訣

第126話用イラスト.jpg

 過剰なストレスは万病の元。そのストレスの最大の発生源は人間関係であり、身を守るには嫌いな人とつき合わないこと・・・。前回はそんな話をしましたね。

 ストレスには体の外側から受ける外的ストレッサーと、体の内側の感情から受ける内的ストレッサーとがあります。

 外的ストレッサーには温度、湿度、騒音、化学物質などの物理的・化学的なストレスや過労、外傷、感染などの生理的ストレスがあります。

 また、内的ストレッサーには怒りや悲しみ、不安、イライラ、恐怖といったネガティブな感情があげられます。

 さて、ここで問題になるのは内的ストレッサーです。胸に手を当てて、あなたのこれまでの人生をふり返ってみてください。怒りやイライラなどのストレスって、たいていが人間関係、とりわけ嫌いな人から受けているはずです。

 このとき、体にはどんな生理反応が起きているかというと・・・。

 脈拍が速くなって、自律神経の1つである交感神経が過緊張し。顆粒球という免疫細胞が急増。このことが体にさまざまな弊害をおよぼします。

 免疫細胞はふだんは私たちの体を外敵から守ってくれているのですが、増えすぎたりすると暴走。外敵のかわりに体の正常細胞に攻撃を仕掛けてしまうことがよくあるのです。膠原病やアトピーなどの免疫疾患も、これが原因と考えられています。

  たとえば血管が強く収縮することによる血流障害です。みなさんは緊張したときなどにお腹が痛くなったり、くだったりしたことはありませんか?

 これは交感神経の緊張で増えた顆粒球は最初に粘膜に押しかける性質があるからです。そのため、胃や腸の粘膜が荒らされ、痛みや機能低下が起きるのです。

 粘膜が荒らされる状態がつづくと、やがて潰瘍が形成され、細胞の再生が困難になっていきます。これが発ガンへと進むとも考えられています。

 また、顆粒球が増える一方で、リンパ球という抗体を作る免疫細胞は減少するため、体の全体的な抵抗力が低下。こちらでもさまざまな病気のリスクが高まっていきます。

 いかがでしょうか。嫌いな人とつき合えばつき合うほど、命を縮めることが、これでおわかりいただけたのではないでしょうか。

 まあ若いうちはともかく、特にそろそろ第2の人生のための準備が必要になる50代になったら、この点をあだやおろそかにできません。

  それまでは義理やしがらみで嫌いな人や合わない人ともつき合わなくてはならなかったでしょう。でも、第2の人生では、そんな“縛り”もゆるくなり、嫌いな人と無理につき合う理由も必要もなくなっていきます。

 これからは、今後もつき合うべき人間を冷静に検討・選択し、嫌いな人間は徐々に遠ざけていくようにするのが「元気で長生き」の秘訣にもなるのです。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康法の舞台裏