2015年12月04日

【114】健康に悪い「健康食品」もある

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 先頃、「コーヒー浣腸」という怪しげな健康食品を売って、5年の間に15億円もの荒稼ぎをしていた業者が摘発されるという事件がありました。

 製品はコーヒーにオリゴ糖や塩を加えただけの液体。重い便秘や腸の不調などで悩む人たちの弱みにつけ込んだ悪辣な商法です。

 健康食品の世界には、昔からこんな欲の皮の突っ張った卑劣な手合いが引きも切りません。

 理由は医薬品のように厳しい規制がないから。医薬品のような効能をうたわない、医薬品にしか使えない成分を使わない、といった旧薬事法(平成26年11月より医薬品医療機器法と改名)に抵触することさえ気をつければ、はっきり言って野放し状態。効かないと文句を言う人には、「個人差があります」と簡単に逃げられるのです。

 ずいぶん以前のことですが、うどん粉を水に溶かしただけのものを万病に効くといって売っていた例もあったほどです。

 今回の「コーヒー浣腸」は医薬的な効能をうたっているだけでなく、購入者の中に健康被害も目立つということで、さすがに目にあまったのでしょう。以前から内偵が進んでいたようです。

 少なからぬお金を取られた上、症状がよくなるどころか、かえって悪化するのだから、客はまさに泣きっ面にハチです。

 つらい症状を何とかしたいと、ワラにもすがりつく気持ちはよくわかりますが、そこはやはり自分の健康や命に関わること。健康食品やサプリメントを選ぶ際にはじゅうぶん慎重にいきたいものです。

 では、こんな詐欺まがいの健康食品にひっかからないようにするには、どうしたらいいか。それには、使用する前に専門家、つまり医者に相談するのが一番です。

 ただ、大半の医者は健康食品やサプリメントというと頭から否定して、相談も何もあったものではないかもしれません。

 そこでおすすめしたいのは、同じ医者でも統合医療の看板を掲げている医者です。

 統合医療とは、西洋医学だけでなく、漢方や各種セラピー、サプリメントなど、信頼できるあらゆる代替療法(補完療法)も含めて総合的に病気の改善を図る治療法です。

 こうした医者なら健康食品やサプリメントなどにも精通しているし、柔軟な対応が期待できます。

 統合医療を行っているクリニックや専門外来は、近年急速に増えているので、ネットなどで調べれば、あなたのすぐ近くにもあるかもしれません。

 受診する際には商品を持参し、症状を診てもらう際に意見を伺ってみましょう。

 自分の健康と命は自分で守る時代。そのためには、これくらいの努力を惜しまないことが大切です。

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2015年12月11日

【115】五十肩に8の字ゆらし

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  40代、50代になってくると多くなってくるのが、いわゆる五十肩。服の着脱はおろか、中には箸の上げ下ろしさえ困難になってしまう人も少なくありません。

 五十肩は肩こりとは違って肩関節の周囲に炎症が起こって痛みを発生させたり、可動域が狭くなる症状ですが、何故そうなってしまうのか、原因ははっきりしていません。そのため、整形外科でもなかなか手に負えず、たいていのお医者さんは「周りの筋肉を鍛えましょう」とアドバイスしてくれる程度です。

 「筋肉強化がまったくの間違いというわけではありませんが、筋肉以上に大事なものを1つ忘れています」と断じるのは“浪速の関節の達人”と異名をとる大阪・ゆうき指圧の大谷内輝夫先生です。

「関節痛の真犯人は、関節をつなげている靱帯や関節を保護している関節包の拘縮(緊張で硬くなること)。これが筋肉のアライメント(動く方向)を崩すことで痛みなどの症状が発生するのです」

 ただ、靱帯や関節包は体の奥深くにあり、筋肉のように刺激を与えてほぐすことができませんでした。そこで大谷内先生が智恵と工夫を重ねて考え出したのが“8の字ゆらし”です。

 ヒントは「釘抜き」にあったとか。ペンチで釘を抜くとき、釘をぐるぐる回してから抜くと簡単に抜けますね。これは圧力(刺激)が板の奥にある釘の先まで伝わり、その周囲がほぐれているから。ここから浮かんだのが骨を釘に見たて、関節を8の字にまわす方法だったのです。

 この運動法はすべての関節に有効とのことですが、五十肩の解消にもかなり効くようです。私が口づてに教えてあげた友人・知人の中にも「確かに効果があった」と言う人が、少なくても4人います。

 先日も、久しぶりにテニスコートで会ったY氏が開口一番、「いやあ、おかげでずいぶん楽になってね。サーブもオーバーハンドで打てるようになってね」と、えらく感謝されました。

 実は、前回一緒にテニスをしたときのこと。ふだんは上からラケットを大きく振り下ろして力強いサーブを打ってくるY氏が、そのときにかぎってラケットを下から振ってポンと緩いボールを入れてきます。

 妙に思って後で訊いてみたら、しばらく前から五十肩で腕が上がらなくなってしまったと、力なく笑いました。

 そこで“8の字ゆらし”をY氏に教えてあげたところ、けっこうまめに続けたようで、1ヶ月もしたらすっかり痛みが取れ、肩も上に上げられるようになったといいます。

 肩の“8の字ゆらし”のやり方は簡単。肘掛けのないイスに座って、握りこぶしをつくった手をグッと突き出すようにしながら、大きく前後に8の字を描きます。逆回りも行います。

 次に、同じ要領で横にも8の字を描きます。それぞれ1日10〜15回くらいが目安です。

 8の字を描くとき、腕を無理して高く上げる必要はありません。痛くならない範囲で行ってください。

 ただし、石灰性腱炎タイプの五十肩には有効ではないとの由。その点は、実践する前に医師に確認されたほうがいいでしょう。

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2015年12月18日

【116】痩せていても糖尿病の原因は?

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 糖尿病は太っている人がかかる病気と思っている人が多いようです。

  もちろん、肥満が糖尿病の大敵であることは確かです。糖尿病は血中のブドウ糖を取り込んでエネルギーに転換するインスリンの分泌量が低下したり、活性が悪くなって血糖値が高くなる病気。それにはブドウ糖が血中に増えすぎる肥満は大きなリスクになります。

  ただ、一方で痩せていても糖尿病という人も決して少なくありません。しかも、日本人に多い傾向でもあるのです。

 あなたの周囲にも、そんな人がいるはず。ひょっとしたら、あなた自身がそのタイプかもしれませんね。

 肥満でもないのに、なぜ血糖値が高くなってしまうのか。ふだんから太らないよう心がけている人は納得できませんよね。

 その主な理由として、横田邦信・東京慈恵会医科大学教授が指摘しているのがマグネシウムの不足です。

 マグネシウムは私たちの体に必要なミネラルの1つですが、実は糖代謝の過程で非常に大切な働きをしています。

 摂取されたブドウ糖は多くの酵素の働きでATP(アデリシン三リン酸)→ADP(アデリシン二リン酸)と分解。その過程で発生したエネルギーが細胞活動に使われるわけですが、マグネシウムはブドウ糖→ATPの分解に作用する酵素の活性を高める働きを持っているのです。

 横田先生の研究では、このマグネシウムの過不足がインスリンの分泌や活性に大きな影響をおよぼすことも明らかになっています。

 痩せていてもマグネシウムの摂取量が足りなければ糖尿病になりやすくなるわけです。

 マグネシウムは体内でつくられることはなく、体外から取り入れていくしかありません。そのためには、ふだんからマグネシウムを豊富に含んだ食品を積極的に食べることが一番です。

 では、どんな食品により多くのマグネシウムが含まれているか。横田先生は、その目安として、次のような標語を考案しています。

「蕎麦のひ孫と孫わ(は)優しい子かい? 納得!!」

  全部平仮名にすると「そばのひまごとまごわ(は)やさしいこかい? なっとく!!」。実はこれ、マグネシウムを多く含む食品、もしくは効率よく摂取しやすい食品の頭文字をつなぎ合わせたものです。

 頭から順に紹介しましょう。

 =蕎麦、バナナ、海苔、ヒジキ、=「豆(大豆)」、五穀、豆腐、抹茶、ゴマ、ワカメ、野菜、魚、椎茸、イチジク、昆布、は牡蠣、芋、なっ納豆、トウモロコシ、クルミ。

 心当たりのある方は、奥方にも教えるなどして、ぜひ、マグネシウム生活を心がけてください。

 ただし、マグネシウムは体内に蓄積されず、必要な量以外は排泄されてしまうので、一度にたくさん摂っても意味がありません。ふだんの食生活の中で、少しずつでも継続的に摂っていくことが大切です。

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2015年12月25日

【117】40歳以上の20人に1人が緑内障

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 年をとってくると、「かすむ」「ぽやける」「 にじむ」といった具合に、目の見え方にいろいろな異常を感じるようになります。

 多くは老化現象ですが、ときには失明の危険性もある重大な病気のサインという場合もあるので、気になったら早めに眼科を受診することが大切です。

 中でも、中年以降に特に注意したいのが緑内障です。というのも日本人の場合、眼圧が正常でも視神経の破損によって発症するタイプ(正常眼圧緑内障)が圧倒的多く、その一番のリスクが老化といわれているからです。

  日本緑内障学会の調査では40歳以上の20人に1人が緑内障と推定され、その割合は50代、60代と加齢が進むにつれて高くなっていくとのことです。

 視野が徐々に欠けていく緑内障は失明の可能性もある恐い病気ですが、ただ、それも治療をせずに放置していればの話。早めに発見し、適切な治療を始めれば滅多に失明するような事態にはなりません。

 緑内障の初期症状は、「かすむ」「ぼやける」のほかに「モノがゆがんで見える」、「視力が急に低下する」なども特徴です。

 早期発見・早期治療の重要性はどんな病気にも言えることですが、緑内障の場合はさらに「不可逆性の病気」という理由が加わります。不可逆性とは、いったん病気が進行したら復元は不能。つまり、緑内障で失った視野は取り戻せないということです。

 一方、残った視野を維持、あるいはそれ以上の進行を遅らすことは今の医学なら十分可能です。

 幸いというべきか、視野の欠損は何年もかけてゆっくり進むのが通常。だからこそ、早期発見・早期治療が非常に大切になるわけです。

 問題はその方法ですが、厄介なことに緑内障は前記した初期症状以外には痛みなどの自覚症状がほとんどありません。

 それだけに特に有効な自己チェック法もありませんが、ポイントはやはり代表的な症状となる視野狭窄です。緑内障の場合、視野狭窄は鼻側から耳方向に向けて徐々にかけていくことが多く、たいていの場合は両目に起こります。

 ただ、視野狭窄に気づく頃には病状はかなり進んでいることが多いので、見え方に異常を感じたときには早めに受診することが肝要。それでも不安な場合は、40歳を過ぎたら1〜2年に一度、定期的に眼科で検査を受けるのが一番です。 

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