2015年11月06日

【110】ダイエットに効く筋トレ、効かない筋トレ

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 メタボリックが気になる中高年サラリーマンの間で、ダイエットのために筋トレに汗を流す人が増えてきているようです。

 会社帰りにジムに寄って、あるいはダンベルを買いこんで自宅で。その意気や良し、と言いたいところですが、ひとつ気になることがあります。

 もしかしたら、あなたは、こんなやり方をしていませんか? 

 筋肉を効率よく鍛えるために、できるだけ重い負荷をかけている。時間がないので、屈伸のスピードは速めにしている・・・。

 えっ、その通りですって? だったら、これから書くことをよく読んでください。

 その気持ちは分かりますが、実はこれ、筋肉のメカニズムにうとい素人の方が陥りやすい落とし穴。ほかの目的ならともかく、ことダイエットに関してはほとんど無駄骨に近いらしいのです。

 筋肉は大別して速筋と遅筋とに分けられます。速筋は表層筋ともいって体の表層部に。収縮速度が速く、主に跳んだり走ったり、体を速く動かすときに使われます。

 また、ボディビルダーのような、いわゆる“筋肉ムキムキ”も、もっぱら速筋を鍛えたものです。

 一方の遅筋(深層筋)は外からは見えない体の深層部にあり、主に姿勢を維持する役目を担っています。

 速筋のように目立たないので筋トレでも軽視されがちですが、ダイエットをしたいのなら、この遅筋を重点的に鍛えなくてはなりません。

 スポーツ科学の第一人者、宮崎義憲・東京学芸大学教授によれば「速筋のエネルギーがブドウ糖であるのに対し、遅筋のエネルギーは脂肪。どちらを刺激したほうがダイエットに有効かは言うまでもありません」ということになります。

 この遅筋を鍛えるポイントは「軽い負荷をゆっくり、長くかけること」。前記のように「重い負荷を速く」かけても、脂肪を燃焼させない速筋ばかりを鍛えることになってしまうわけです。

 ちなみに、宮崎先生は「遅筋を鍛えるならダンベルやマシンは必要ない」として、かわりにつま先立ちをすすめています。

 3分間、背筋を伸ばして、ゆっくりつま先立ちを繰り返す。これを1日3回つづければ、十分ダイエット効果が出てくるそうです。

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2015年11月13日

【111】スマホが危ない!

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 スマホの健康被害が騒がしくなっています。中でもとりわけかまびすしいのがスマホ老眼とスマホ依存症です。

 スマホ老眼は、特に若い人の間で激増しているようです。

 とにかく液晶画面を何時間も見つづける、それも漫然とならまだしも、ゲームなんかになるとまさに凝視で、瞬きすら忘れがちです。

 これでは目が悲鳴を上げるのは当たり前。水晶体の厚さを変えてピントを調整する毛様体という筋肉がガチガチに硬くなって、用を足さなくなってしまいます。

 老眼は、遠くのものは見えるのに近くの文字がぼやけたり滲んでしまう、あるいは焦点が合いにくくなってきますが、スマホ老眼の場合は特に夕方、暗くなりかけてきた頃にそうした症状が現れてくるのが特徴です。

 老眼は年をとれば多かれ少なかれ進む自然現象。でも、20代や30代の若さで老眼鏡はちょっとつらいですね。

 中高年だって「とっくに老眼だから」などと、のんびり構えているわけにはいきません。この世代の場合は老眼の進行に拍車がかかるので、やはり注意が必要なのです。

 次はスマホ依存症。『スマホで馬鹿になる』(時事通信社)という過激な(?)著書も出している精神科医の和田秀樹先生は「スマホ依存症はタバコやアルコール、覚醒剤より恐い」と、使いすぎに警鐘を鳴らします。

「というのは、ほかの依存症にくらべて簡単になりやすいからです。特に未成年が心配。依存症というとギャンブル、タバコ、アルコール、覚醒剤、脱法ハーブなど思い浮かべるでしょうが、これらは昔から規制の対象になっており、それなりに歯止めがあります。

 ところが、スマホの場合はいつも手近にある上、法的にはほとんど野放しの状態。今の子供たちは常に依存症と隣り合わせという危険な状態におかれているのです」

 スマホ依存症に陥ると、勉強や運動、食事、コミュニケーションなど、ほかのことにあてる時間がなくなるだけでなく、興味そのものが持てなくなるため、学力、知力、体力、社会性、すべて乏しく、偏った人間になってしまいがちです。

 もちろん、大人でも安閑としていられないのは、スマホ老眼と同様です。昨今は、パソコンで仕事をしている振りをしながらスマホでラインやゲームをしていることがバレ、首になってしまった会社員も出てきています。

  スマホ老眼もスマホ依存症も、一番の対策はスマホと縁を切ることです。健康には代えがたいことですし、本来、ゲームもラインもなくてはならないものではありません。

 だったら、断ってもいいわけですが、実際問題、それは容易ではないでしょう。

 そんな場合でも、スマホというのは便利で楽しい反面、こうしたさまざまな危険性を伴ったものでもあるという認識はしっかり持つべきでしょう。それだけでも、少し距離を置くなど、つき合い方がずいぶんちがってくるはずです。

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2015年11月20日

【112】ふくらはぎの痛みで悩んでいませんか?

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 当たるも八卦、当たらぬ面八卦などと言いますが、私の仕事場である出版業界もほとんどそんな世界。

 これはヒットするぞと自信を持って送り出した本が返品の山になったり、著者への義理立てや出版点数を稼ぐために何となく出した本がベストセラーに・・・。こんなことが日常茶飯事のように起きています。

 近年、私が関わった本で言えば、『ふくらはぎをもむと超健康になる』(大谷由起子・著/小池弘人・監修=マキノ出版)という本もそんな1つです。

 発売後、半年間で9刷、13万部を突破。低迷しつづける出版業界では、かなりのヒットといえます。「しかも、膝とか腰に比べると、ふくらはぎは地味そのもの。まさか、こんなに注目を呼ぶとは」と、担当の編集者もうれしいやら驚くやらで、しきりに首をひねっていました。

 編集者だけだなく、この私にしても、ふくらはぎなんて、ふだんからほとんど気にしません。ところが、それはわれわれの個人的な尺度で考えているだけのこと。実は意外な(私たちにしてみれば)実態が深く静かに広がっていたのです。

 監修者の小池弘人先生(小池統合医療クリニック院長)が言います。

「ふくらはぎ痛で困っている人って、実は高齢者を中心にかなり多いんです。ところが、整形外科には腰や膝、股関節などの専門医はいるけど、ふくらはぎの専門はいないでしょ。

 要するに、あまり関心がない“隙間の障害”。だから受診してもなかなか埒があかないことが多いんです」。

 しかし、痛みを抱えている人の悩みは深い。そこへ「ふくらはぎ」と名が付く本の登場に、わらにもすがる思いで・・・。なるほどと、少し腑に落ちた気がしました。

 小池先生によれば、ふくらはぎ痛は加齢に伴って発生することが多く、血液の循環障害というより筋肉繊維の疲労や損傷がもっぱらの原因。

 中には歩行困難に陥ったり、痛みで不眠になったりするケースも少なくないとか。こんな場合には、毎日ふくらはぎを自分でもむことで改善していくことが多いそうです。

 やり方はごく簡単。まずふくらはぎの外側です。右手の親指と人差し指で足の甲側から右足首をはさみ、残りの3本の指も人差し指に並べてふくらはぎにつけます。

 親指を離し、小指に当たる骨(脛骨)のきわにそって4本の指を骨に押しつけるようにしながら、膝に向かって強く引き上げます。左足も同様にして、繰り返し行います。

 次にふくらはぎの内側です。右手の親指と人差し指で右足首をはさみます。親指に当たる骨(脛骨)のきわにそって親指のみを骨に押しつけるようにしながら、膝に向かって強く引き上げます。左足も同様にして行います。

 この方法は痛みを緩和するだけでなく、ふくらはぎの血行を高めることで静脈瘤の改善や、冷えやむくみ、ひざ痛などさまざまな病気の予防・改善にもつながるそうです。

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2015年11月27日

【113】これからの季節、高血圧の人はヒートショックにご用心!

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 寒い季節になると、中高年を狙って牙を研ぎはじめるのがヒートショック症候群。特に高血圧や動脈硬化、糖尿病など心臓・血管系に持病のある人は狙い打ちされやすいので、要注意です。

 ヒートショックとは、まわりの急激な温度変化により血圧が上下することで心臓や血管に大きな負担がかかり、 心筋梗塞や脳出血を起こす現象。手当が遅れると、いわゆる突然死にもいたります。

 特に危険なのがお風呂。私事で恐縮ですが、昨年1月、66歳になったばかりの筆者の義兄も、ここで一命を落としました。

  その日も外は凍てつくような寒さだったそうです。義兄は入浴のために暖房の効いた部屋から鼻歌交じりで浴室へ。奥方(筆者の姉)によれば、いつもは10分程度と烏の行水に近い義兄が、その日はなかなか風呂から出てきません。

 外から声をかけても、返事がないのでアを開けてみたら、浴槽の中で義兄がぐったり。すでに意識はなく、救急車で病院へ搬送したものの、そのまま不帰の客になってしまいました。

 後で聞いた話では、義兄も高血圧症で薬を服用していたそうです。

 にわかには信じられないような、とても恐い話ですよね。でも、東京都健康長寿医療センターの調査によれば、こうした入浴中のヒートショックと思われる突然死は全国で約1万7000人にも及んでいるとか。あなた自身やあなたのまわりに起きても決して不思議ではないことなのです。

 ヒートショック対策としては、特に高血圧の方は日常生活の中で急な温度変化に身をさらさないように心がけることが大切です。

 中でも注意したいのは、やはり寒い時期のの入浴です。暖かい部屋から寒い脱衣場で裸になり、これも冷え切ったバスルームから熱いお湯に一気に浸かる。まさに血圧は乱高下しっぱなしで、高血圧の人には非常にリスクが高い状態になります。

  これを防ぐには、入浴前後はバスルームを部屋と変わらない程度に温めておくことです。浴室暖房がある場合は、それこまめに利用し、ない場合は電気ストーブで入浴前後だけバスルームを暖めておくようにするといいでしょう。脱衣場も同様です。

 また、入浴中は脱水症状を起こすことが少なくありません。これも血圧上昇に拍車をかけるので、入浴前にはコップ一杯のお水を飲むようにしましょう。

 お風呂以外にも、ヒートショックのリスクはあります。たとえば寒い戸外から温かい屋内に入ったときや、その逆。こうした場合も、服をすぐに着脱せず、少しずつ体を環境の温度に慣らしていくようにしたいものです。
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