2015年05月01日

【083】病気自慢にもルールがある

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 先日、仲間とテニスを楽しんでいたときのこと。休憩タイムに喫煙エリアに行ったら、あとから4人ほどの別のグループの男性がやってきました。

 年の頃なら60代中ごろか。聞くともなしに話を聞いていると、定年退職した後、ある人は健康のために、ある人は暇を持て余して、若い頃にちょっとやっていたテニスを再開した。そんな感じです。

 さて、面白かったのは、その後。4人のうちのひとりが「Sさん、今日は調子が悪いね、1度も勝ててないんじゃないの?」と、少々上から目線でからかったのがまずかった。

 くだんのSさん、けっこうカチンときたようで、いきなり声を荒げて「オレは病み上がりなんだよ! 」。どうやら胃ガンの手術をしたばかりらしい。

 ところが、負けず嫌いなのか、からかった御仁も矛先をゆるめるどころか、逆にやりかえす。「オレだって腎臓で入院したよ」。

  すると、残った2人も尻馬に乗って「オレは糖尿病だ」「へっ、オレは糖尿に心筋梗塞もやったぞ」と、口々に病気自慢。というより、病気バトルがはじまって、Sさんなどは声も少々うわずって興奮気味。

 これはちょっとヤバイ雰囲気と思ったところへ、遅れてやってきた5人目の仲間が挟んだ言葉がよかった。
「オレなんざ、痔瘻(じろう)だぜ!」。みんな、わっと笑って、とんがった空気もいっぺんに和みました。

  辛抱たまらず吹き出してしまった筆者と目が合った5人目氏。ニヤッと笑って、ウィンクするではないですか。

 こいつはデキル。現役時代もさぞや仕事に辣腕を振るったことだろう、と感心したものです。

 病気自慢というのは、けっこう楽しいもので、特に高齢者には格好のコミュニケーションツールになりますが、それなりにルールやマナーもあります。

 当たり前のことですが、今現在、病気療養中の人の前では控えること。中には元気づけようと、ワザとやる人がいますが、病人の心というのは想像以上にナーバスになっているもの。かえって、傷口をえぐってしまいかねません。     

 また、年を取ってくると感情にブレーキをかけにくくなってきます。それが高じたのが「キレる」という現象。病気自慢はいいけれど、あくまでもサラッと。しつこくしないのが賢いコミュニケーションです。

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2015年05月08日

【084】40〜50代にも忍び寄る白内障

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 白内障といえば、昔は老人の眼病と相場が決まっていたものですが、昨今は中年の間でも増加。ゆめゆめ油断はできません。

 厚生労働省の調査では40代でも40%、50代では60%が程度の差はあれ白内障にかかっていることが明らかになっています。

 実際、私の友人にもこんな話があります。46歳になる彼はドライブが趣味で、暇さえあればハンドルを握ります。ところが最近、視界に異変を感じるようになりました。陽光やヘッドライトなどの光が以前よりまぶしくなったり、夕方に対向車や信号がぼやけたり二重に見えたりするのです。

 パソコンをよく使うので単なる疲れ目と軽く見ていましたが、ある日、自転車と接触事故。幸い大事には至りませんでしたが、さすがに不安になって眼科で受診したところ、白内障が進んでいるとのことでした。

 手術の結果、今は視界良好とのことですが「あのまま運転しつづけていたら・・・」と思うと、背筋がゾクッとするそうです。

 白内障は目の中でレンズの役割をしている水晶体が濁ってくる病気です。確かに以前は老化による水晶体内のタンパクの変性が主因とされていましたが、近年は紫外線などによる活性酸素の影響も少なくないとか。それがリスク年齢の低下につながっているようです。

 自覚症状としてはほかに「目がかすむ」「小さな文字が見えづらくなる」「ものがダブって見える」といったことがあります。

 白内障も決して侮ることはできず、放置していると社会的失明(矯正視力が0.1以下)に至るケースも少なくありません。異常を感じたら早めに受診するようにしたいものです。

 最近は極小切開法といって、10〜20分の簡単な手術で完治するようになりました。痛みもなく、日帰り手術もOKなので、仕事に差し支えることも大してありません。

 また、サングラスなどで目を紫外線から守ったり、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、ポリフェノールなどを含んだ抗酸化食品を日頃から摂取するのも大切です。
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2015年05月15日

【085】痔主もつらいよ

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 痔でお悩みの方はいませんか?

 と、いきなり切り出したのにはワケがあります。

 前々回、このコラムでテニス仲間同士の病気自慢が過ぎて、一触即発の険悪な雰囲気になった話をしました。そのとき「オレは痔瘻だ!」と割って入って、難なくその場を収めた人がいましたね。

  筆者はたまたま目撃しただけで、まったく知らないグループの人たちでしたが、実は後日、ひょんなことから、その“時の氏神さん”とお近づきになる機会があったのです。

 さっそく「あのときは・・・」と話を振ると、氏神さん、ちょっと照れた後、「本当は痔だって大変なんですよ」と、ほろ苦く笑いました。

「確かに痔で死んだ人はいないでしょうが、この痛さ、苦しさばかりは味わった者でないと分かりません」

 幸いにも、筆者は味わったことがない組ですが、そんな話はよく耳にします。肛門科の医師によれば、そのためにうつ病に陥ったりする人も少なくないそうです。

 面白いと言ったら不謹慎でしょうが、それほどの痛みにもかかわらず、痔疾患者さんはくらい病院の受診を嫌がる人はいないとか。

 恥ずかしいから? もちろんそれもあるでしょう。でも、平田雅彦先生(肛門科医院院長)が行った調査によれば、その理由の大半は手術に対する恐怖心や不信感なのだそうです。

 病院に行けば、結局手術を勧められる。痔の手術は死ぬほど痛いそうだ。手術の後は何週間も入院しなくてはならない。手術しても再発することが多い・・・。

 どうです? に見覚えのある方も多いんじゃないですか。

 でも、心配ご無用。確かに、昔はそんな傾向もあったでしょうが、昨今はそれも杞憂に過ぎません。病院の痔疾治療も保存療法を中心に、かなりソフトになってきています。

 たとえば、平田医院では痔核と裂肛の手術率は10%未満で、それも年々減少傾向にあるそうです(ただし、痔瘻だけは100%手術)。

 かわりに主流になっているのが、なるべく手術をしないで改善する保存療法、食事や生活習慣の改善などの生活指導(セルフケア)と投薬を中心に行うもので、多くの場合、2〜3ヶ月の治療で快方に向かうそうです。

 やむなく手術となった場合でも、最近の技術は格段に進歩しており、術後の痛みも軽く、入院日数もずいぶん短くなっています。

 市販の薬は応急処置にはなりますが、症状の改善にはつながりませんし、ステロイド剤による副作用の心配もあります。

 また、素人判断で痔だとばかり思っていたら、直腸ガンだったという例もあります。

 案ずるより産むが易し。痔がつらい方は明日にでも受診して、悩みから解放されましょう。

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2015年05月22日

【086】衝撃の民間療法、天城流「骨ぎわほぐし」

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 最近、統合医療の分野で注目を集めているひとりが天城流湯治法の創始者、杉本錬堂氏です。

  統合医療とは、西洋医学のみに頼らず、鍼灸や漢方などの東洋医学、ヨガ、アーユルヴェーダ、アロマセラピー、果ては民間療法にいたるまで、病気の改善に役立つ療法であれば積極的に治療に取り入れていこうという医療法です。

  錬堂氏は医者でも治療師でもありませんが、自らの病気やケガを治すべく、研究や修行を通して天城流湯治法という独自の療法を開発。いわば民間療法のカテゴリーに属すこの療法の有効性が、統合医療に取り組む医師たちの間で高い評価を浴びてきているのです。

  ちなみに天城流湯治法は2003年と2004年、厚生労働省が行った介護支援のための民間療法調査で、改善率87.5%、4割の方の介護度を1ランク下げ、「衝撃的な治療法」と話題を呼びました。このことも評価の原動力になっていると思われます。

  先般、その錬堂氏に取材でお会いしました。

 失礼ながら、正直な第一印象は「ヤバそ〜」。何しろ、細身ながらも引き締まった体格にスキンヘッド。コワモテな雰囲気は医療とは無縁の世界の人に見えたのです。

 でも、錬堂氏自ら開口一番、「アブナイ人に見えるでしょ?」と呵々大笑。これでホッとしたものです。

 話してみると、印象とは正反対。ひたすらストイック、かつ優しくウィットに富んだ、とても魅力的なオジサンでした。

  取材の目的は、天城流湯治法の中でも「骨ぎわほぐし」と呼ばれる施術法。話すと長くなりますが、簡単に言えば病気やケガをすると、その部位や症状によって特定の骨ぎわの筋肉が硬くなります。その強張った筋肉をほぐし、滞っている血液やリンパの流れを復活させることで、本家本元の症状の改善が得られるというものです。

  これが本当によく効く。即効性も顕著なので、急に起きた関節痛や筋肉痛などの症状にもうってつけです。

 たとえば肩・首のコリや痛みの場合は、症状のある側の前腕を通っている太い骨ぎわに沿って、筋肉を骨から剥がすようにほぐしていきます。さらに同じ側の肩胛骨の際も同様にしてほぐします。

 筆者も、取材の日の朝から抱えていた寝違いが、その場で楽になりました。と、簡単に書きますが、それはもう、びっくりの一言。初対面の印象もどこへやら、「すごい!」を連発しながら感謝しまくったものです。

  太っ腹の錬堂氏、ユーチューブなどでも症状別のメソッドを惜しみなく公開しているので、興味のある方はどうぞ。「天城流湯治法」で検索すれば出てきます。
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2015年05月29日

【087】トウガラシが毛を増やす?

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 とうに還暦を過ぎたせいか、このところオツムリが何となく寂しくなってきました。全体に毛が細くなって、腰が弱い。頭頂部から分け目のラインに沿って地肌が透けて見える。そんな感じです。

 てなわけで、個人的な興味が先立って恐縮ですが、今回もテーマは薄毛。ネタはトウガラシです。

  トウガラシの辛み成分であるカプサイシンがダイエットにいいということは、今ではたいていの方がご存じのことと思います。では、そのカプサイシンに養毛・育毛効果もあることについてはどうでしょう。こちらは初耳という方も多いのではないでしょうか。

 少々小難しくなりますが、かいつまんで、そのメカニズムを紹介すると−−。

 毛髪の成長にはインスリン様成長因子というアミノ酸からなる物質が不可欠です。カプサイシンは知覚神経を刺激することで、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)という物質の放出をうながしますが、このCGRPが毛根におけるインスリン様成長因子の産生を盛んにすることが明らかになってきたのです。

 ある研究によれば、トウガラシ(カプサイシン)と大豆イソフラボンを毎日継続摂取してもらったところ、約80%の人に明らかな育毛・発毛効果が認められたそうです。

  ここで、突然、「大豆イソフラボン」が飛び出したことに疑念を持たれた方もいることでしょう。

 実は、このトウガラシ増毛法には大豆が豊富に含んでいるイソフラボンという成分が重要な役割を持っているのです。

 知覚神経を刺激しているだけだと、やがて神経内のCGRPは枯渇してきます。そうなると、いくらカプサイシンを摂取しても肝腎のインスリン様成長因子は増えません。

  実は、このCGRPを増やす働きが女性ホルモンにあるとか。そこで女性ホルモンと似た作用を発揮することで知られる大豆イソフラボンを代わりに、というわけです。

 摂取量の目安は、1日に一味トウガラシを小さじ2杯。イソフラボンのほうは豆腐なら半丁とのこと。

 筆者も1週間前から挑戦。トウガラシはオブラートにくるんで飲んでいますが、さて、効果のほどは・・・。

 3ヶ月後くらいにご報告する予定です。

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